マルコ水産株式会社

マルコ水産のこばなし(ネギトロアレルギーについて)

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ネギトロにもアレルギーはある?? マルコ水産のこばなし(表示義務や推奨には該当しない鮪を使用したネギトロにはなぜアレルギー物質が入っているのか?)

気を付けて!アレルギーは、思いもよらぬ形で…。


人間誰しも何かしらのアレルギーを持っていると言われています。
アレルギーとは、あるものに対して体が過敏に反応する症状で、人間に備わっている防衛反応(免疫反応)が関係しています。免疫とは、からだを守るための防御反応で、体内に侵入してきた異物(細菌・ウイルス等)に対して抗体を作って対抗する反応のことです。人は様々な食べ物を食べ、また、様々なものに触れます。日常には食べ物はもちろんのこと、ホコリやダニ、花粉など、生活(食事や呼吸など)しているうちに体内外で接触します。

本来はこういった病原性のないものに対して抗体は働かないはずですが、人によっては過剰な反応(抗体生成)を起こしてしまうことがあります。これがアレルギーと呼ばれる症状です。このアレルギーは、遺伝子が関係しており、どういったものに反応してしまう可能性があるかが遺伝子検査でわかります。また、生活環境が大きく関わり、悪化する要因がある環境下では、発症するリスクが高まることが分かっています。

環境を整えることや生活環境を変えることで改善できることがあります。


さて、ここからはアレルギーの中でも【食べ物】に関わることをお話ししていきます。
みなさん、食べ物のアレルギーの中でも特に気を付けなければならない品目があるのをご存知ですか? 日本では製品を製造する際、食材に以下のものが使用されていた場合、表示を明記する義務、または表示を明記する推奨をしています。品目は27品目で、7品目が表示義務(必ず明記する)、20品目が表示推奨(明記する方が良い)とされています。

表示義務
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生

表示推奨
あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン


法律を定めている消費者庁が表示義務としている理由として、患者数の多さや症状の重さから特に注意が必要な食材を義務としており、原材料として使った場合だけでなく、原材料を作るときに使った場合も、これらが使われたことがわかるよう必ず表示する必要があります。

また、義務7品目と同様に20品目は、症状が軽度であることや発症する人数は少ないが、症例報告がある程度あることから、これらが使われたことがわかるよう表示することが勧めています。気になる方は、消費者庁のアレルギー関連項目に詳しく載っていますので、を見てみると良いと思います。(参考URL:http://www.caa.go.jp/foods/index8.html)


さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です!タイトルにもありますが、ネギトロは、マグロが主原料であり、一見アレルギーは関係ないじゃないか?っと、思われる方がいらっしゃるかもしれません。主に2つの気を付けていただきたいポイントがありますので、おさえていきましょう!ちなみにこのポイントは当社製品に限ったことではありませんので、お役に立てば幸いだと思います。


まず1つめのキーワード、【ネギトロ】。ネギトロの由来欄でも少し記述していますが、現在売られているネギトロは、マグロの身に油脂を加え、酸化防止剤・pH調整剤、調味料で整えられている商品が大半だと思います。これはまろやかさ(食べやすさ)や日持ち、味つけなどの様々な理由で各社メーカーさん毎に異なります。このマグロ以外の油脂、副原料(酸化防止剤・pH調整剤、調味料)の一部にアレルギー物質が使われていることがあるのです!


例えば、油脂は主に動物油脂、植物油脂があります。動物油脂には【乳・卵・豚肉】が使われていることがあり、また、植物油脂には【大豆】が使われていることがあります。pH調整剤や酸化防止剤は、ビタミンEやビタミンCが使われており、この原料が【大豆】由来であることがあります。


このことから、ネギトロには大豆や乳、卵、豚肉などのアレルギー表示義務及び推奨項目の原料を使用している可能性があることを知っておいても損はありません。ネギトロや切り落し商材をご購入の際は、表示シールに記載されていると思われますので、ご確認して購入した方が良いかと思われます。

当社でも一部の粗挽き・ネギトロ商品につきましては、【大豆・卵】が原料の一部に使用されている商品がございます。当社商品は、27品目表記をしてありますので、ご購入の際は表示にてご確認ください。また、当社ではノンアレルギー商材も取り扱いがございますので、ご相談ください。

もう1つのキーワードは、ずばり【マグロ】! ほとんどの方は、マグロのアレルギー反応自体は無いのでご安心頂いて良いと思います。しかし、このマグロという生き物は、食物連鎖の頂点付近に君臨するほどの大型魚。正直何を食べているかわからないのです…。

マグロの好物としてアジやイワシといった小型魚はもちろんのこと、イカやエビ、カニも殻ごとバリバリ食べてしまうんです!表示義務のエビ・カニ、表示推奨のイカを捕食しているマグロは…もしかしたら餌由来のアレルギー物質(アレルゲン)を蓄えている個体がいても不思議ではないんですね。


現状は法律上、餌由来までの表示義務はないため、特に過剰なほど敏感に反応する方以外は、気を付けることを必要としないかもしれませんが、頭の片隅にでも覚えておくと良いかもしれません。
時に魚は食べ物によって意外な反応をすることがあります。鮭の身が赤いのは、赤い色素を持つプランクトンを食べているからだとか、本来毒を持たないフグが毒を持つ餌を食べ続けることで体内濃縮し、テトロドトキシンという猛毒を持つなど、生きていくことで培われてきた現象というのは実に興味深いものですね。


鮪の餌によるアレルギー(アレルゲン)とアレルギー表示のお話