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寄生虫アニサキスとは? マルコ水産のこばなし(原料原産地とは何か)

冷凍品は国で安全が保証されてるよ!っと、知ってほしいと思うこの頃お騒がせなアイツ(寄生虫)について…


  近年のニュースで一時話題となるワード、“アニサキス”。アニサキスとは、寄生虫(線虫)の一種です。魚の体内から出てくるものは幼虫(アニサキス幼虫)で、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。 このアニサキス幼虫は、当社でも取り扱いのあるカツオの他、サバ、アジ、サンマ、イワシ、ヒラメ、サケ、イカなどの魚介類、クジラなどの哺乳類に寄生します。


 このアニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、鮮度が劣化(時間経過)すると内臓から筋肉に移動することが知られています。=魚が新鮮なうちにできるだけ早く内臓を除去し、十分に洗浄することで感染の確率を下げることができます。このことからお分かりになると思いますが、魚の内臓を生で食べることはとても危険なのでやめましょう!

 

アニサキスについて。マルコ水産製品は安全です。

 では、何故アニサキスで食中毒になるのか?

 アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍又は加熱のものを含みます)で食べることで、アニサキス幼虫が生きたまま体内に侵入することがあります。それが胃壁や腸壁に突き刺さり、壁内に潜り込むことで、食中毒(アニサキス症)を引き起こします。ほとんど多くが、急性胃アニサキス症で、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激痛、悪心、嘔吐を生じ、急性腸アニサキス症では、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。

ごく稀に、消化管外アニサキス症(虫体が消化管を穿通して腹腔内へ脱出後、大網、腸間膜、腹壁皮下等に移行、肉芽腫を形成することがあり、虫体寄生部位に応じた症状が現れる)になることがあります。また、症状によっては、蕁麻疹やアレルギー、アナフィラキシーショックを引き起こし、重症の場合、腸閉塞(腸が詰まる)、腸穿孔(腸に穴が開く)になることがありますので注意が必要です。

アニサキスは、2012年12月28日の食品衛生法施行規則の一部改正で、食中毒の病因物質の種別として、食中毒事件票に新たに追加されました(クドア、サルコシスティス、その他の寄生虫(クリプトスポリジウム等)も同様に種別として追加)。これにより、アニサキスが食中毒の原因の1つとして知られるようになってきたんですね。また、2013年以降、厚生労働省の食中毒事件一覧速報で、アニサキスによる食中毒の発生状況を閲覧できるようになりました。気になる方は閲覧してみると良いと思います。 (厚生労働省HP 食中毒統計資料へ→

 アニサキス症の治療法は?

 アニサキス症は、幼虫が噛みついた物理的な刺激で痛みが生じていると考えられてきましたが、それだけではなく、幼虫の分泌物による局所のアレルギーが原因でアニサキスアレルギーを引き起こしている可能性があるようだと近年わかってきたようです。

 まず、主な治療法としては、『物理的に取り除く』です。胃アニサキス症では、胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入する虫体を見つけ、これを鉗子で摘出することでほぼ解決します。腸アニサキス症では対症療法が試みられているようですが、場合により外科的処置が施されるようです。残念ながら、現在のところ幼虫に対する効果的な駆虫薬は開発されていないようです。 アレルギー反応に対しては、症状緩和目的にステロイドと抗炎症薬によるアレルギー治療で、激痛を緩和できるようですね。

もっとも、根性での解決法(?)としてアニサキスは体内で長期間生き抜くことが出来ない為、死滅するのを待つこともできます。経験した方に聞いた限りでは、2日ほど耐えられれば治まる…ようですよ(苦笑)  気合や精神力がある人以外は、とても難しいと思いますので…おすすめはしませんが(苦笑)

アニサキスは、通常、魚体内に寄生しているので、人間の体内(胃酸)の環境下では耐えられず、必死に脱出するために胃壁等を突破しようと必死に噛み付くわけです。まさに命がけの戦いですね…。

 

 アニサキスへの対処法・予防法は?

 では、アニサキス自体に対応するためにはどうしたらいいでしょうか?この疑問に対し、日本では国の機関が正式に回答しています。主なところとして、

厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html)、

農林水産省HP(http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/anisakis.html)、

国立感染症研究所HP(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/314-anisakis-intro.html)

に明記されています。(興味がある方は、上記参照サイトを是非ご覧ください。)

要約すると …


予防法として、


●新鮮な魚を選び、購入し、丸ごと1匹の場合は、新鮮なうちに速やかに内臓を除去すること。
内臓を生で食べないこと。
●まずは、目視確認をして、アニサキス幼虫がいないか確認し、いれば除去すること。

●良く噛んで食べる!(物理的に殺す) ←ある意味一番効果的。

※料理で使う食酢処理、塩漬け、醤油やわさび等の調味料系統を付けても、アニサキス幼虫は死滅しませんので、注意が必要です。

殺虫法として、


◆冷凍して殺す。 (-20℃で24時間以上冷凍)
◆加熱して殺す。 (70℃以上、または60℃なら1分)  

 

と、明記されています。確実な方法としては、加熱と冷凍が適切であるとされており、生や酢、醤油、ワサビなどは効果が期待できないようです。弊社も稀にアニサキスのお問い合わせがございますが、弊社で取り扱う鮪及び鰹は全て冷凍(-50℃以下保存)であるため、万が一にもアニサキスでの食中毒被害はございませんので、ご安心してお召し上がり頂けます。

 季節ものである“春カツオ”や“秋カツオ(戻り鰹)”の近海ものは、一部生(チルド)で販売されている為、アニサキスの食中毒に遭われる方がおられる現状が稀に御座いますが、冷凍品に関しては、消費者様が風評被害に惑わされないよう、正しい知識が広まって頂ければ幸いではないかと思っています。