マルコ水産株式会社

マルコ水産のこばなし(鮪業界の専門用語集辞書)

マルコ語録・まとめ

マルコ語録(業界用語専門用語集)
カツオ・マグロに関するお話しはいかかでしたか? これまでのページに掲載された語録や関連用語を以下にまとめてみました。 このサイト(マルコ水産株式会社ホームページ)は、本業の合間をぬって社員たちが1つ1つ一生懸命に手作りで作成したものです。最後まで閲覧いただきありがとうございました!(時々こっそり更新してます。)

マルコ語録
マグロ・カツオの部位関連
・背【カミ・ナカ・シモ】
男節(上)側の部位で頭側からカミ・ナカ・シモとなる。シモ(尻尾側)に向かうにつれ脂が薄くなる、また、中央から離れるにつれ、スジが強く、頭側では太くなり、尾側では細く細かくなる。内部が赤身で皮側には脂がのり、中トロの部位となる。魚体、季節により脂ののり具合に違いがあるため、脂のない個体もある。寿司ネタやサクの用途に使用される。

・赤身【中心部(天身)、頭尾部】
皮側の脂がある部位(カワラ)をカットした際に残った中心に近い箇所を天身という。スジが弱く(かからない)、柔らかい。また、赤色が濃くマグロ特有の味が濃い為、赤身の中では高級部位。鉄火丼や鉄火巻きなどに用いられる。鮪が好きな人が好んで食べる部位。その他、脂ののらない頭尾部(筋張っている)の箇所。

・腹【カミ・ナカ・シモ】
女節(下)側の部位で、内臓付近の腹回り(カミ)が大トロとされ、ナカ・シモに向かうにつれ中トロ、トロと脂ののりが少なくなっていく。腹部のスジは強く太い(しっかりしている)。皮側が特に脂がのり、高級部位となる。また、中心につれ赤身となる。脂身好きにはたまらない部位。

・カマ
エラの後ろ部分の部位。1匹から2個しか取れない。太い骨がかなり入り組んでいるのと加工しにくいため、そのまま焼いて食べることが一般的。脂ののったカマはとても美味しい。

・カマトロ
カマの下位の箇所から取れる部位。こちらも1匹から2個しか取れない。細かいスジが入っている為、独特の歯ごたえがある。脂ののりと旨味は大トロにも負けない美味しさがある。

・脳天(頭肉、鉢の身)
見た目はかなり筋張ってはいるが、腹カミと同じく切り方等で食感は気にならない。脂ものっており、味も濃厚。加熱用が多い。

・ほほ肉
マグロのエラを動かす部位。1匹から2個しか取れない。繊維質であるが、スジはほとんどなく、カマと同じく焼いて食べるのが一般的。焼くと魚より肉に近い味と食感が楽しめる。

・尾肉(テール)
尻尾の部位で、円形でそのまま販売されていることが多い。基本加熱用でテールステーキとして食されることが多い。マグロは、身質を調べる際に尾部を切り選別することで見極めることが出来る


・男節・雄節・背節

【おぶし、せぶし】と読み、中心から上部(背側)の部位を指す。 女節に比べ、やや大きく、脂肪が少なくあっさりしており、刺身で切ると三角形状になり、整っている。カツオ(鰹たたき・鰹節)で呼ばれることが多い。マグロは魚体が大きいので、背カミ・背ナカ・背シモで呼ばれることが多いので、そちらをご参照。ちなみに鰹のタタキや鰹節等で皮が付いている方が尻尾側である。

 

・女節・雌節・腹節

【めぶし、はらぶし】と読み、中心から下部(腹側)の部位を指す。 男節に比べ、やや小さく、脂肪分が多くのっており、コクがある。刺身上に切ると形は内臓部分が除去されているために内側がややえぐれた形状をしている(ハラモ部がカットされており、整形されている場合もある)。カツオ(鰹たたき・鰹節)で呼ばれることが多い。マグロは、魚体が大きいので、腹カミ・腹ナカ・腹シモで呼ばれることが多いのでそちらをご参照。一般的に、男節に比べ、女節の方が脂がのって美味しい。


・亀節(かめぶし)

カツオやマグロを縦に三枚にカットし、背骨部を除いた左右の片身(男節と女節が離れていない一対の形状)のことを指す。多くがロイン加工がしにくい小型のカツオで用いられるカット形状。鰹節で多く使用される用語で、形状が亀の甲に似ていることからそう呼ばれる。


・本節(ほんぶし)

ロイン(四つ割)と同じ(形状)で、魚体が大きいカツオを上部と下部で三枚にカットしたものをさらに2等分した節のものを総じて指す(男節と女節の総称)。鰹節で使用される用語で、カツオのたたきでは使用されない(と思われる。)



マグロ・カツオのさばき方と呼び名関連
・ラウンド・まる(丸)
 漁獲されたままの状態。
・GG
  漁獲したマグロに血抜き処理を行い、エラや内臓といった傷みやすい部位を取り除いた状態。GGは、【Gilled and Gutted】の略称。
・セミドレス
 GGから尾が切り落とした状態。ドレスの前段階の呼称。
・ドレス
 GGから頭と尾が切り落とした状態。無頭(ヘッドレス)の状態を略した呼称。
・フィレ (Fillet)
 ドレスを脊椎骨に沿って二つに割り、三枚に卸したもの。フィーレとも呼ばれる。
・ロイン(Loin,四つ割り)
  フィレをさらに背肉(雄節)と腹肉(雌節)に分かれるように二つに割ったもの。GGから身の部分を四等分された状態。
・プレート
 ロインを一定の厚みでカット(背骨に対して水平)したもの。スティックや角切り等の比較的サイズが小さい製品の原料となることが多い。
・チャンク・コロ 
 ロイン又はブロックを一定サイズにカットしたもの。魚体のサイズによりカットする個数は異なる。天身やカワラに分ける前の段階。
・コロ 
  ロインから一定サイズにカットした”塊”状のもの。 ブロック、チャンク、天身やカワラといった切り分けた塊状の部位であれば、コロと呼ばれることが多いが、基本的にはチャンク=コロ。 また、マグロ類では基本”コロ”で呼ばれるが、カジキ類は”メカチャンク”等、チャンクで呼ばれることが多い。
・ブロック
 ロインをある程度の大きさに背骨に対して垂直にカットしたもの。魚体のサイズによりカットする個数は異なる。
・天身
 ブロックの脊椎骨(体の中心)に近い部位。特に色の濃いところ。
・カワラ(瓦)
 ブロックから天身を外した部位。屋根の瓦に似ていることから。
・サク(柵,ステーキ)
  カワラ・天身を短冊状にカットしたもの。スーパーなどで売られている四角い状態のもの。ステーキと呼ばれることもある。

・刺身(ピース
 サクを垂直にカットしたもの。寿司ネタサイズ(指2本くらい)の四角い状態のもの。ピースと呼ばれることもある。
・スティック
鉛筆のように棒状(1辺1~2cm程度四方×18cm位)にカットしたもの。鉄火巻き等に使用されることが多く、定番は長さ18cm位。 また、さらに長辺にカットを入れると角切りになる。
・角切り 
棒状(1辺1~2cm程度)のスティックをさらにカットし、サイコロ(立方体)状にしたもの。 加熱調理用に使用することが多い、定番は15~20㎜四方サイズ位。
・ファンシー・チャンク・フレーク
マグロ・カツオ製品で、上記呼称を同様に使用する例としてツナ缶がある。メーカーさんによって表記が異なるが、【ブロック・ファンシー・ソリッド】は、ほぐさずに形が残っている状態、【チャンク】は、大きめに身がほぐして入っている状態、【フレーク】は、フレーク状に細かくほぐして入っている状態。チャンクやフレークは、メーカーさんによっては書いていない(明記されているもの以外を指す)こともある。

状態関連
・石鰹
極稀にカツオの中にいる通常とは異なる身質がゴリゴリした硬いカツオ。ゴリガツオとも呼ばれる。一般的なカツオに比べ、臭みがある。見た目では全く分からず、解凍し、捌いたときに判別できる程見分けは難しい。詳しい原因は解明されていないが、稀に存在している為、カツオのたたきを初めて食べてこれに当たった方は、カツオを嫌いにならないでほしい…。
(石鰹についてはこちらから➡)

・チヂミ

漁獲後すぐに冷凍されることで細胞が生きている状態の身が解凍された直後に、死後硬直を引き起こし、筋目に沿って湾曲する状態のこと。マグロでは特に鮮度の良い状態のことを指すが、一番美味しい状態ではない。
(チヂミについて詳くはこちらから➡)
・やまい
身質が通常と異なり、白~薄い黄色っぽい色をしており、コブのようなシコリが身の一部に見られる状態のこと。コリコリとした食感で、味もないことが多く、基本的にはまずいので食べない(商品価値が無い)が、食べても問題ありません。個体によって異なり、状態は様々。
・打ち身・シミ
魚が泳いでいる際に魚体同士、また障害物などに接触した際に生じる内出血になり、固まった箇所の部位をシミ、変色(茶色や黄色っぽくなる)した部位を打ち身という。打ち身は廃棄、シミは商品価値が下がるため、B級品として扱われる事が多い。見た目はそれほど気にしない方はお買い得♪(味はほとんど変わりません!)
・血栓
漁獲時に網に巻き付いたり、暴れたりすると負荷がかかり、身に血が入り込んでしまうことがある状態。味に影響はないが、シミに似たような形で見た目が悪くなる。

寄生虫関連
・ホシ・アズキ
身の内部に寄生虫の丸い卵がある状態。点在することをホシ、多数あることをアズキと呼ぶことが多い。初期段階でアズキ状の穴ができることに由来。身の中に寄生するため、細かくカット(サク状~寿司ネタレベル)してみないと解らないことが多い。冷凍状態のマグロやカツオでは万が一食べてしまっても孵化はしないのでご安心を。
・ジェリーミート
魚肉がジェリー状になること。魚の筋肉中に寄生した粘液胞子虫の周辺が軟化する。この粘液胞子虫は、主に魚類の筋肉中に寄生する。寄生された魚が生きている間は異常が見られないが、魚が死ぬとその魚から脱出するために筋肉組織を分解する酵素を出す。これにより、ジェリー状になる。魚体の外からは発見できず、解凍や調理の段階ではじめて発見される。メバチやキハダに多くみられる。

変色関連

・ドリップ

細胞の劣化により体外へ血液や体液が出てしまう液体のこと。マグロでドリップが出る=旨みが劣化していることにつながる。長時間の冷蔵・常温状態などで生じることが多い。また適切でない解凍方法によっても出る。
(ドリップについて詳しくはこちら➡)

・ヒスタミン
アミノ酸の一種であるヒスチジンという物質が変化(腐敗)して作られる物質。青魚(サバ等)にとくに多い。体内にヒスタミンが多くなると血圧降下、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進などを引き起こすことがあり、アレルギーに似た症状を発症することがある。初期症状として、食べた時に舌がピリッと少し痺れたり、顔が赤くなったり、心臓がドキドキ(動悸が起きる)したら注意が必要。重症の場合、呼吸困難や意識不明になるが、ここ10年以上日本での死亡等の重症事例は起きていない。
(ヒスタミンについて詳しくはこちら➡)

・酸欠
魚体の細胞内に酸素が欠乏することで色が悪くなる状態。サクでは赤紫~紫がかった色、ネギトロでは薄い灰色~薄い褐色の色をしている。ミオグロビンが関係しており、しばらく空気にふれていると酸素が供給されるため、本来の赤色に戻る。
・メト化
オキシミオグロビンが酸化し、メトミオグロビンに変化した状態。鮮やかな赤色をしていた赤身が褐色、黒褐色にへんかしてしまう。低温(-5~0℃)帯で引き起こされることが多く、冷凍サクを冷蔵庫で保管してそのまま解凍してしまうといったことをすると起こりやすい。
・冷凍焼け
冷凍保管中に魚の表面が黄褐色~白色に変色する現象。表面の水分が奪われることで細胞の破壊や油脂の酸化による油焼け、糖-アミノ反応等が起因する。水や氷は、徐々にではあるが昇華(固体から気体になる)してしまう。その為、凍結された魚の表面付近の水分(氷)が表面から水分が奪われることで細胞が破壊され、孔が出来ることでスポンジのようにスカスカになる。乾燥が表面から次第に内部に侵攻するため、内部は問題がないこともある。 また、脂質が酸化し、身質に渋みが生じたり変色するため、色の悪いスカスカの冷凍焼けになる。また、冷凍庫内の臭いも吸着するので嫌な臭いもすることがある。家庭用冷凍庫では生もの、特にマグロは日持ちしないため、1~2週間程度を目安に食べられる方が良い。
・あんこ
ネギトロ等の二次加工品で起こることがある現象で、外側は綺麗な赤色をしているが、中身が変色している状態。原因は酸欠で、しばらく空気に触れると外側の色のように発色する。内外の冷凍状態の差により引き起こされ、外側より内側が凍りづらいことで、低温下(-18℃等)で凍らせると内部が凍結するまでに時間がかかる為、酸欠を引き起こしやすく生じやすい。超低温(-40℃以下)での凍結ではほとんど起こらない。

魚のグレード
・S1【活〆ブライン凍結一級品】
一本釣り漁で釣り上げたカツオ・ビンチョウに血抜き処理を施し、急速凍結したもの。カツオの特徴である血生臭さが少なく、マグロのような味わいに近い。特に鮮度が良く、B1より高品質。
・B1【ブライン凍結一級品】
一本釣り漁でブライン溶液(-20℃)に生きたままのカツオ・ビンチョウを入れて急速凍結したもの。投入されるカツオ・ビンチョウの体温でブライン溶液の温度が上がらないように、溶液を循環させて冷媒を冷やしこむ為、短時間で処理が可能。ヒレがぴんと立ち、口が大きく開いたままの状態のものが生きたまま凍結されたことの証。鮮度が特に良い。
・PS【P〔purse seine=巾着網、巻き網〕S〔special=特別な〕】
巻き網漁で漁獲された際に、最初の方に獲った鮮度の良いものと生きているうちに網で掬った新鮮な状態のものをすぐブライン凍結した状態の良いグレード(高品質)。丁寧に扱われた鮮度が良く、生食に適する状態の良いもの。
・ブライン【B、一般船凍】
まき網漁で漁獲されたカツオ・ビンチョウをブライン溶液を入れた水槽の中に次々と投入された魚のうちで、B1凍結よりは温度管理が徹底されていないため、品質にムラが生じることから品質的には下位に属する。特に大量漁獲の際に、カツオ・ビンチョウの体温でブライン溶液の温度が上昇し、温度ムラが生じることで凍結時間にばらつきが出来、魚体凍結までに時間が要することからB1凍結に比べ鮮度が低下したものが多くなる。品質にバラつきがあるため、選別をして仕分けするか、主には加熱用原料として使用されることが多い。長時間ブライン溶液(塩化カルシウム)に浸されている影響で、個体(大きさ、脂のノリ具合等)によっては、魚自体に塩気が帯びていることがあるが、本来の魚の味ではない。品質の低い魚ほど塩辛い傾向(ブライン溶液に長時間浸かり、ブライン溶液が浸み込んでしまうため)があるが、カツオのたたき等は、好き好んで食べる方も多い。(大きさ、脂のノリ具合等で塩化カルシウムの浸透(塩気を帯びる)に差が生じることがあるので、同じ時に漁獲されたもの(ロット)でも差が生じることがある。また、浸透に関しては色調等に違いが生じない(ブライン溶液は無色透明)ので、判別が難しいが、品質劣化との相関性がある為、個体によっては選別することができる。
・超低温(空冷)凍結
はえ縄漁で漁獲されたマグロ、ブライン凍結処理をされた後のマグロ・カツオは、超低温冷蔵庫(-50~-60℃)にて空冷処理される。マグロ(一部ビンチョウは除く)は、ブライン凍結のように塩水に浸さないため、塩辛くならない。また、血抜処理が行われるため、身質が血生臭くならないため、品質が高い。

・養殖(ようしょく)
稚魚(卵からかえったばかりの魚)から人工的に育てる方法であるが、厳密には卵から孵化させた魚を成魚まで育て、次世代(卵)を産ませ育てる、『完全養殖』が正しい。養殖は、初代は天然魚。次世代以降は育てた魚であるため、資源が限りなく減らない(近親交配を防ぐために多少の天然成魚を入れることはある)。鮪で養殖は大変難しい為、ほとんどが畜養。完全養殖まぐろは、世界で初めて日本の近畿大学が完全養殖に成功し、安定的に生産できる方法を確立したことはあまりにも有名。

・畜養(ちくよう)
天然の幼魚や成魚などを捕まえて、生け簀(直径約50mくらい)でエサを与えて育てる方法。特に脂の薄い魚を捕らえて太らせ、脂を付けさせることで付加価値を付けている。鮪は完全養殖が難しい為、養殖ではなく、ほとんどが畜養まぐろである。天然資源を漁獲して畜養しているので魚の数(資源)は減る。その他、ハマチなどが畜養である。



一本釣り漁・はえ縄漁・巻き網漁

解説ページにて 【➡ 一本釣り漁・はえ縄漁・巻き網漁について】

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